2010年05月16日

土に返す・・

亡骸と一晩一緒の部屋で過ごし、
何度も、顔をのぞき声をかけました。

そして翌日、チョコを毛布にくるんで埋葬のため、病院に行こうとしたら、

娘が、「死んだん?」と聞いてきました。

「なんで?」
「毛布に頭からくるんだら、息ができへんやん。死んだんかと思った・・。」
「あほ!!死んでへんわ!不吉なこと言わんといて!!じゃ、チョコを入院させてくるわ。」

娘は、チョコの病気が始まった頃から、わたしと一緒で胃が悪くなりました。彼女の胃の調子が完全に治るまで、チョコの事はいわないでおこうと思っています。
でも、わかっているかもしれません。なぜなら、チョコのことを何も聞いてきませんから。


埋葬

埋葬方法は3つあります。
火葬、木の下にお墓を作る、病院の職員がどこかに埋めに行く。

火葬は、焼いた後、骨は渡してもらえません。焼くだけです。
木の下のお墓は、業者に託しますが、場所は教えてもらえます。
職員がうめにいく、これはどこに埋めるか決めておらず、場所を探して埋めるだけ・・というものでした。

医者は、木のお墓を勧めてきましたが、費用が高かったのです。

私は、死んでしまったらもうしょうがないと思っています。どんなにいいお墓を用意しても、どんなに供養しても。
生きているうちに、できることはしました。あとは、心の中でチョコが生きているだけで、供養になるとおもい、三つ目の職員がどこかに埋めにいくという方法を選択しました。

この病院の職員さん、並びに先生方はとても親切な人たちでした。
私は、この職員さんが埋めにいくのなら、場所が特定できなくても、彼等に託してもいいと思いました。

この選択をしたとき、先生はこう言ってくれました。

「どこに埋めるかは、はっきりわからないけど、○○公園の近くだと思います。昼間は人の目があるので、夜の9時以降に行きますが、あなたも一緒に行きますか?そうすると、場所がわかるでしょう?」

本当にうれしかったです。気を使ってくれたんだと思います。

その埋葬は、夜という事もあり、夫が立ち会ってくれました。
聞くところによると、公園の裏の大きな木があるいいところだったらしいです。
数日前、チョコの隣に入院していた犬も亡くなったそうで、横に眠っているとの事でした。
仲間がいれば、さびしくもないでしょう。

これで、すべてがおわりました。

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2010年05月15日

看取ってから

チョコは、電話をおいてすぐ亡くなりました。

夫の帰りをしったチョコは安心したのでしょうか。

それとも、私が病院に行きたくない気持ちを悟ったのでしょうか。

本当に驚くようなタイミングでした。

チョコは私を救ってくれました。私がもし安楽死させていたら、ずっと後悔したかもしれません。

夫は買い物から帰ってきて、ドアの向こうから、
「帰ったよ。」
と声を掛けてきました。

「じゃあ、悪いけどご飯作ってくれる?」

私は、チョコのことは黙っていました。

夫がこの事をしって、食欲を失ったら嫌だったから、ご飯をすませてから、言おうと思ったのです。

夫が食事の支度をしている間、私はチョコの体をきれいに拭いて、布でくるみ、寝床にいれました。

その後、部屋を整理して、徹底的に消毒し、自分もお風呂に入りました。

ご飯が出来上がったと声がかかり、食欲が初めて出てきました。
夫が作った麺はおいしかったです。
たくさんあった麺をたいらげてから、夫をチョコの部屋に呼び出しました。

そして、すべてを話しました。
ただ、娘にはまだ言わないでおいてとお願いして。

その日の夜、私はチョコのそばで寝ました。
8日間の短いようでとても長かった闘病生活がおわったのです。

さびしくて悲しいけれど、後悔ひとつありません。ただ、後悔しなくて済んだのも、チョコのおかげです。

短い期間に、いろいろなことを体験しました。
この体験は、私の精神部分を強くさせてくれたのは確かです。
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チョコの最期

病院からの帰り、安楽死を決断したのに、「チョコは生きているかな・・・」と気がかりでしょうがありません。

家につくと、チョコはベッドの小さな隙間に入って泡を吹いていました。

発作が終わってから、抱き上げ、別の場所に移してあげていたら、夫が電話を掛けてきて、
「どう、チョコは大丈夫?」と聞くので、「すごく、苦しんでいるから、安楽死を決意したよ。あなたが帰ってきたら、病院へつれていこうね・・。」と告げました。

夫は、「わかった・・。今から帰るけど、すごく渋滞しているから遅くなるかも」
時間は午後の三時半でした。

その電話の後、チョコは自分の足で立ち上がらなくなったんです。発作を起こすといつも立ち上げるチョコが、横になったまま泡をふきだしたんです。でも目は開いています。

残酷にも、その後に何度も転げるほどの痛みがやってきました。
でもチョコは、立ち上がれませんでした。四つんばいになったまま、くいしばったような格好をしています。

私は、ずっとそばにいて、なでながら話かけてあげました。
そして、何度も神様に祈りました。
そして、何度も神様に文句をいいました。

安楽死を決断したくせに、夫がなるべく遅く帰ってきたらいいのにと思う自分。
時間は午後5時。
もっと渋滞に巻き込まれたらいいのに・・・。

なるべく、夫の帰りをおそくさせて、私はチョコと一緒に居たかった・・・・。

5時15分。夫から電話がかかってきました。
「今、車庫についたけど、チョコを連れて降りてくる?病院に行こうか?」
私はとっさに、
「みんなおなかがすいているし、先にご飯にしようよ。悪いけど、買い物に行ってきてくれる?」
と言いました。

これで、すこし時間が稼げる・・・・。

夫からの電話を切り、受話器をおいたとたん、チョコの様子が変わったのです。
急に大きな息を2回しました。

そしてチョコの体から力が抜けていきました。

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2010年05月14日

地獄の決断

チョコの状態がかなり悪くなったその日、偶然にも娘が体調を崩し、私はその日の仕事を休むことになりました。

これも、神様の采配なのかもしれない・・・。

チョコを連れて帰ってから2日間、娘にはチョコを見せないようにしていました。ショックを受けたら嫌だからです。

私はチョコと一番おくの部屋に閉じこもり、時々出ていっては娘の世話をしました。幸いなことに、喉が痛いだけで元気な娘は、一人で好きなコナンのアニメをみたり、昼ねをしたりしており、安心です。
夫は、仕事に行って不在です。

しかし、その日のチョコは本当に目が離せませんでした。
5分に一度、泡を吹く発作、そして1時間に一度、転がり回って痛がりはじめたのです。

そのうちに、発作が起きた直後、急に見えない敵に遅いかかっていく行動をとり始めたのです。
それは、まさに狂気に満ちていました。

でも、その発作は5分ほどで終わり、また横になって苦しそうに体をゆがめます。病原菌のため、鼻は硬くなり、穴もほとんど閉じていたため、呼吸もとても困難です。足をピーンと伸ばしては、痛みに耐えるその姿は、本当に苦しそうでした。

妄想、発作、呼吸困難、転がりまわる痛み、排便ができないなど、まさに地獄の苦しみを受けているチョコをみて、安楽死をさせたほうがいいのかも・・と思うようになりました。

でも、私はチョコを殺したくなかったんです。
人間だって、他の動物だって、自然の摂理でいうと安楽死はできません。
人間の意思だけによって、動物は安楽死することができます。

自然の摂理を守りたいと同時に、自分の意思で動物を殺して、罪を背負いたくなかったんです。
自分が罪を背負いたくないから、安楽死を選ばない・・これも言ってみればエゴなのかもしれません。

安楽死については、賛否両論あります。私は反対者ではありません。ただ、最後までみとってやりたかったんです。

でも、その決意が揺らぎました。
この地獄の縮図を目の前にみせつけられたら、私のエゴは通してもいいものなのかと疑問さえ抱き始めたんです。

頭の中は、パニックになってしまい、一人で病院を訪ねていきました。
先生に、今の状況を全部つたえて、安楽死に関する意見をきくためです。

先生は、
「あなたが彼女をどれほど愛しているか、私は知っています。あなたは、本当に誠心誠意やってきました。彼女に対するできる限りの責任をすべて果たされました。あなたには、家族がいます。あなたには、家族を守るというもうひとつの責任もあります。お子さんもショックを受けている事でしょう。ですから、決意をすることは悪いことではありません。だんなさんが帰ってきたら、よく相談をしてまた電話をください。」

そして、私は地獄の中での決断をしたのでした。

posted by 森のあるじ at 23:00| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

退院後

大きな犬で1週間・・・。

その日、チョコを連れて帰ったら、夫の見ている前で泡を吹き出しました。

夫はかなりショックを受けたことでしょう。

でも、発作が終わってから、自分の足で台所へいき、そこに座ってうごかなくなりました。

リビングへ抱いて連れていっても、また台所へいくのです。
夫は、
「神経にきたら、うろうろするって医者が言ってたけど、そのせいかな。」
と言いましたが、私は何か原因があると思いました。

ドッグフードを上げても、食べようとしないのに、そこからうごかない・・。
やっぱりおなかがすいているんだろうと思い、プリンを作りました。

すると、そのプリンをゆっくりゆっくり食べ始めたのです。
これは6日ぶりの食事です。

6日間も食べてないのだから、おなかがすいてるに決まってるよね、やっぱりそうだったんだ。

そして、チョコと私は2人で自分たちの部屋へもどって寝る準備をしました。

その日のチョコは、45分に一度、泡を吹いて発作を起こし、時には足をばたばたとさせて、ひっくり帰ります。

やばい・・。これは長くない・・・。

その日の夜は、そんな感じで1時間に一度以上、その状態が続きましたが、次の朝、チョコはまた自力で、台所に向かって歩き始めたのです。

まだ昨日のプリンが食べたいのかなと思い、与えても食べません。でもまたそこに座っているのです。

お気に入りのドッグフードをお湯でふやかしたものや、粉ミルクをといたもの、おかゆ、プリンを並べておいてあげました。
すると、この日はドッグフードを何口か食べたのです。

そして、その日の午後私はチョコを5時間ほど一人にさせて、授業へいきました。
この犬のことを知っているある学生が私のところへ来て、「犬はどう?」と聞いてくれました。
「悪い状態だけど、昨日と今日は食べ物をたべたのよ。」
「食べることができれば、なんとかがんばれるよ!水の中にブドウ糖をいれてあげてもいいかも。」
と励ましてくれました。

授業が終わり、急いで帰ると、チョコは泡を吹いている途中でした。
が、体が便で汚れていて、それは血便だったのです。

腸の繊毛が便に混じっている・・・といった医者の言葉を思い出し、彼女の腸の機能はもう働かないという事を悟りました。

汚くなった体を拭いてやり、寒くなったら大変なので、ドライヤーで乾かしましたが、その発作は15分に一度やってきます。
そして、昨日よりも、ずっとずっと苦しそうになっているのです。

おなかが痛いのか、クーンクーンと小声で泣きます。なでてやっていると、急に泡を吹き、発作がおさまると、落ち着かなく歩きまわります。

このサイクルを15分繰り返しているのをみて、
今日が山場だ・・・
と感じました。

明日の午後は、遠い学校での授業があり、帰りはおそくなります。
どうしようか・・・・。休暇をとろうか・・・。それとも病院にあずけようか・・・。
posted by 森のあるじ at 02:00| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

週明け

月曜日は、朝7時に家をでて、かえってくるのは夜の8時になります。
だから、チョコは病院に預かってもらいました。

授業の中休み、携帯電話をみると、「動物病院」から電話があったことに気づきました。

「あっ、もうだめだ。。」

教室をでて、病院に電話を掛けると、お医者さんは、
「昨日と同じ薬を注射してもいいですか?」と聞いてきました。

「死んでなかったんだ・・・・・」


「はい、いいです。でも、あまり苦痛な思いはさせたくないですから。かえってから、また相談しましょう。夜にうかがいます。」
といって、電話を切りました。

午後、授業をしているときは、不思議なことにすこし嬉しい気分になっていました。
「きょうの夜は、チョコを連れて帰れる!!一緒に寝れる!!」

夜、病院に行くと、チョコは 尻尾をふりませんでした。私のことがわからなくなっているのかもしれません。

今日の先生は、昨日とは別の人でした。
「今日は、何度も何度も泡を吹いていました。神経系統を侵されているみたいです。既に、できる限りの治療はすべてしました。もう、治療はしても無駄です。」

「栄養を与える注射は?」

「しなくてもいいです。栄養膏(チューブ状の栄養剤)を与えてください。」

「すいません、もし私の仕事が忙しいときは、もちろん、お金は出しますから、半日だけでも預かっていただけますか?」

「それはもちろん、半日でも一日の入院費と一緒なんですが、なんとか私から上司に相談してみましょう。」

「あの・・。神経障害がおきてから、どのくらい生きられますか?そんなはっきりした数字じゃなくていいんです。大体どのくらい・・・」

「はっきりは言えませんが、大きい犬がこの状態になったら、一週間以内で・・・・」

先生は、小さい犬のことを言わずに、大きい犬の例を挙げてくれた・・。
これは、私に対する気遣いだって思いました。
posted by 森のあるじ at 00:00| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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